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偽装を隠ぺいし「美しい国へ」と偽装する

政府の監視役を標榜するマスコミは既に死んでいた。マスコミは自らその使命を放棄して自殺し、己の食いぶちと地位を守るための妖怪と化した。いつの間にか市民を守るための力であったはずのものが、権力にはさらに力を与え、市民を食い物にする強大な力を持つものとして君臨していたのだ。

このブログを読んでいる人は、「きっこのブログ」は読んでいる事だと思う。もし、読んでいなければここ数日のあの耐震偽装問題で一躍時の人となった、イーホームズ(株)藤田東吾社長関連の記事を読んで欲しい。

さて、権力側や公な立場にある者は、国民に疑念を持たれてはいけない。もし、疑念を持たれたなら、自ら潔白である事を証明しなくてはならない。なぜなら、弱い立場の人間が確たる証拠を持っている場合以外は、証明などほとんど不可能だからだ。これでは権力側にどんな大きな疑念を持っても糾弾できなくなり、政府や公的機関は不正のし放題だ。社会にとって良い事であるはずがない。現在非難している北朝鮮の体制と同じではないか。であるから、権力を持つ者が疑念を持たれたなら、自ら無実を証明し疑惑を晴らす努力をしなくてはならない。もし、その疑念が間違いであれば、無実を証明する事など容易なはずだ。



先の永田メール事件においても同じような事が言える。結果的にそのメールは偽物だったと言う事で、マスコミは矛先を永田氏に方向転換して収めてしまったが、疑念を持たれた武部幹事長(当時)は、権力を持つ者の責務として、即座に潔白である証拠を出さなければらなかった。特に本人は「通帳に記載は無い」と言っていたのだから、すぐさま公表するべきだった。いや、公表の義務があったのだ。これは、権力を持つ者、公務の立場にある者の責務である。それを最後までゴネ通し、最終的に永田氏を議員辞職にまで追い込んだ事は、権力を持つ者としてあるまじき行いだ。マスコミも完全に腑抜である。こんな事が許されるから日本の政治はおかしくなっているのだろう。たとえ、本当に銀行口座に何もなく濡れ衣で、訴えた相手が敵対する野党の議員だとしても、また間違った指摘をしていたとしても、有権者に選出された議員であり、国民の一人である。権力を持つ側の者として、必要以上に追いつめ本人への配慮もない振る舞いは、いかにも度量が無く「自分に反対する人間は同じ国民だとしても、抹殺されてしかるべき」という考えを持つ者だと言っても良いだろう。自分を肯定する者しか認めないという事である。このような人間は、国政など任せられる器ではないし、どのような地位にいようとも「チンケ野郎」である。

それにしてもこの国のマスコミは軽過ぎる。

正直者や優しい者が馬鹿を見る国

昨年、日本中の問題となった耐震偽装事件は、先のイーホームズの告発により偽装が発覚した。しかし、「偽装が行われている」と指摘した藤田氏本人が、「偽装された構造計算書を見逃した」として責任を問われ起訴された。自然に考えるならば、イーホームズが見逃したことを罪に問うならば、イーホームズによって発覚するまで、発見、指摘できなかった確認検査機関はもっと罪が重いだろう。イーホームズが指摘しなければ、すべて偽装が表に出なかったと言っても良いからだ。それから、よくイーホームズでの見逃しの件数が引き合いに出され、「一番件数が多かったから処罰された」と言ったような内容の事が書いてあるのを時折見るのだが、確認検査の総数が示されていない。その割合はどれほどになるか分かっていない。藤田氏も、イーホームズは全ての確認検査をしたが、他の機関はその全てを行っていないと主張している。

藤田氏が起訴された内容もおかしなもので、「架空(見せ金)増資がずさんな検査体制、利益優先の姿勢を招き、偽装見逃しの「主な要因」となった」と言う事であった。しかし、これは明らかに別件逮捕で、耐震偽装問題で知られた一部の人間だけを処分し、耐震偽装問題に終止符を打ちたかったのだろう。だが、その思惑とは逆に、裁判では「架空増資」と「見逃し」には因果関係が無いとされ、「架空増資」のみの有罪が確定した。当然の判決だ。

イーホームズ社長の藤田被告に有罪判決 東京地裁
<asahi.com>

今回、この事件を取り上げたのは、「きっこのブログ」に記載されているように、藤田氏が「まだまだ偽装された建築物が存在する」と指摘しているにも関わらず、管轄省庁はその事を無視し、メディアもほとんど何も報道しないからである。発覚した当時は散々報道していたにも関わらずだ。

関係機関はなぜ無視をするのか腹を探らずに理由を考えると、検査機関を徹底的に調べ「発表された以外の偽装は見つからなかった」と言う事か。国民の命に直結する問題である。それ以外には無視できる理由がない。一棟でも見過ごしたならば、国の責任である。では、本当に全てを確認できたのだろうか。否、そんな報道は見た事が無いし、3000万戸にも及ぶとされる新耐震基準の建築物を簡単に確認はできないと考える。結局、確認検査はやめてしまったのだろう。発覚当時、武部幹事長が言っていたではないか「全部を調べたらとんでもない事になる」と。

以前から藤田氏が指摘しているものの中に次のようなものがある。

……<引用>……「らくちんらんぷ」
国交省は、日本建築センターが下ろした「京王プレッソイン東銀座」の構造計算を再計算したら、保有水平耐力(断面算定値と応力算定値との比率、1.0を超えれば地震力があるとされて、建築基準上適合となる。)が、1.0を上回ったので、「偽装はされているが、1.0を超えるから、偽装物件とは扱わずに、よって公表しない」
……<引用終わり>……

この文章の中には国交省が大嘘をついているか、頭が悪いかの、どちらかを思わせる事が含まれている。それは国交省が言ったとされている「偽装はされているが、1.0を超えるから、偽装物件とは扱わずに、よって公表しない」と言う部分だ。「偽装はされている」と認めている。偽装とは正しいもののように偽り装う事だ。正規でないものを正規に見せる、はっきりと不正を犯したのである。つまり、偽装しただけで罪ではないか。結果がたまたま適法だったからと言って許されるものではないだろう。百歩譲って「まぁ、それは良い(僕は良いとは思わないが)」としたとしても、「単に計算できないバカで、得した気分になっていたが、実は全く得していない」だけと考えたのだろうか。しかし、これも問題で、これを野放しにすると言う事は、再び同じ過ち(計算ミスや確認検査ミス)を犯す可能性を残したままと言う事になる。たとえ姉歯氏を使えなくなったとしても、それを見過ごした検査機関はそのままではないか。これは、国交省が言っている事を普通に受け取っても出てくる疑問だ。おかしくないか?

しかし、以上の事は普通に考えた場合だ。これにその他の情報を合わせて考えると、国交省が都合よく偽装の偽装をしたと捉えられてもおかしくない。先に書いたように、このような疑問の残る解答では到底納得のいく事ではないので、早急に国民への説明責任を果たさなければならない。現に藤田氏が疑問を呈しているのであるから、国交省はすぐにでもしかるべき措置をし、疑問に答えなければならない。

以前、この問題が大事になっている時に、「構造計算の方法(ソフト)によって、数値が違う」と報道しているのを聞いた。もし、そうであるならば、その構造計算ソフトに問題があると言う事になる。この責任はどこにあるのか。この事は全くと言っていいほど問われていない。そもそも、そのプログラムを認定したのはどこなのだ? 偽造を見逃した藤田氏の責任を問うのであれば、欠陥プログラムを認定したところの責任を問わなくては、法の不平等が存在すると言うことである。言って見れば、検査機関は不良品を掴まされていたのだ。

これはどういう事だ? イーホームズが偽装の罪に問われなかった事で、欠陥プログラムを認定したところの罪も問われない事になったのか? もっと言うと、欠陥プログラムを見逃した事を罪にしないために、藤田氏も罪にしなかったのか?

以上の事を考えると、権力やそれにコネを持つ者ほど問題を問われずに、姉歯氏や藤田氏のような人だけを生け贄にしているようで、なんとも腹立たしく歯がゆいばかりだ。

全く美しくないな。
by chankin1 | 2006-11-13 02:24 | 政治・Social(社会)

ほとんど毎日、明治のミルクチョコレートを食べていますw


by ちゃんきん